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アオ子のそそられ日記

匂い、あらすじ、見た目、あらゆるものにそそられて。

深夜の映画館におぼれたい。「君の名は。」を鑑賞。

そそりメモ No.26 : 君の名は。




先日、念願だった「君の名は。」を観てきました。
(ネタバレはありません。)

新海誠監督作品 君の名は。 公式ビジュアルガイド

秒速5センチメートル」や「言の葉の庭」で有名な新海誠監督ですが、これまで以上に、今作は話題を呼んでいます。
なにせ東宝配給、全国の映画館で場所を選ばずに見ることができるのはとても大きなことです。
言の葉の庭」は上映館が本当に少なくて、当時予定が合わずなかなか見に行けずに終了してしまったことを思うと

「ついに新海誠監督が華々しくデビューした!」と胸が熱くなります。

今までは知る人ぞ知るアニメ映画監督でしたが、満を持して、全国のスクリーンデビューを果たしたのです。

いわば新海監督にとっては新しく、そして大きな層への挑戦でした。

ギュギュッと詰め込まれた新海ワールドに、まんまと多くの人がハマり、これだけの大反響を呼んだのです。
わたしも改めて深みにはまってしまい、その中のひとりです。


劇場アニメーション『言の葉の庭』 DVD

劇場アニメーション『言の葉の庭』 DVD

前作の「言の葉の庭」では興行収入が推定1億5000万円に対して、「君の名は。」は初動でいとも簡単にその数字を飛び越えています。
公開3日で12億8000万という飛躍的な数字を見るだけで、これまでとは違うことがよく分かります。
そして9月19日までの累計で91億円を突破したことが公表されています。
『君の名は。』がまたまたぶっちぎりでV4を達成した今週の映画ランキング (リアルライブ) - Yahoo!ニュース


君の名は。」を劇場で鑑賞したのは、金曜日の深夜のことでした。
映画館によっては、金曜日の夜と土曜日の夜はいつもより遅くまで映画を上映しています。夜の上映時間帯をレイトショーとすると、深夜の上映時間帯はナイトショーと呼びます。
ナイトショーを見ると大抵の場合は終電がなくなってしまいます。

この日は翌日も仕事は休みだし、夜も遊び尽くすつもりでチケットを取りました。

上映開始は23:20で、上映終了が2時前でした。
早めに映画館に着いて驚いたのは、人の量です。
こんなに遅い時間にも関わらず、人がわんさか。
さすがに満席ではありませんでしたが、8割がたの席が埋まっていました。

ナイトショーじゃないみたい!

というのが素直な感想です。圧倒的なyour name人気に驚かされました。


肝心の映画そのものも、前評判通りにとても良い作品でした。
(そして神木くんは相変わらず声優が上手です。)
シンゴジラとは土俵が違うので、両作を同じ時期に見れて良かったです。

基本設定だけで言えば、よくある入れ替わりもの(わたしは普段あまり入れ替わりものがすきではないのですが)なのですが、”入れ替わってしまったから元に戻るためにはどうしよう”という話ではないところに、惹きつけられたのかもしれません。



はじまって、あっという間に終わってしまったような。もっともっと見ていたい!終わってほしくない!という物足りなさと、ひたひたに注がれているような充足感。

息を呑むほどに圧巻される映像美はもちろん、RADWIMPSの迫真の音楽も同時に心臓を掴みます。

君の名は。(通常盤)

君の名は。(通常盤)

映画じゃなくてPVでは?と各所で評されるように、「君の名は。」の音楽はBGMとして寄り添っているのではなく、しっかり映像と腕を組んでいて、作品そのものです。

新海誠監督が華々しい全国上映館デビューを飾るなら、RADWIMSPもまた、新たなファンを獲得したはずです。わたしの中でRADWIMPSロキノン系バンドで、10〜20代の男女に人気がある印象なのですが、この作品をきっかけに年齢層がより上の人にもその存在を知らしめたに違いありません。

そしてエンドロールのスペシャルサンクスの中に、敬愛している映画監督の岩井俊二の名前があることを発見して、なんだかまた胸がいっぱいになりました。
本人鑑賞後にコメントを寄せているのは知っていたけれど、エンドロールに名前が載るということは、新海監督とどんなやりとりがあったのでしょうか。
新海誠「君の名は。」に鈴木敏夫や岩井俊二、秦基博が称賛コメント - 映画ナタリー


ちなみに監督が今作の着想を得るきっかけになったのが小野小町の和歌です。

思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを
(あの人のことを思いながら眠りについたから夢にでてきたのだろうか。夢と知っていたなら目を覚まさなかっただろうものを。)




映画が終わると一気に人が散っていきます。
映画館のトイレに入ったときに、深く息を吐きました。

なんだかずっと呼吸を忘れていたような、
息つく間もなかったような、
深い深い海の中にいたような。

終電もなくなったこんな夜中に、
たくさんの人が映画館にいて、
いったいこのあと、この人たちはみんな、どこに消えていくのだろう。
言語化するような無粋なことがしたいわけではなくて。

わたしもこの夜の中に溶けていくひとりなのだと思うと

もうずっと映画館に溺れていたい。
そんな気になりました。


深夜の映画館は特別です。
学生時代に働いていたときも思いましたが、
深夜の人気(ひとけ)のなくなったシアターやミュージアムは独特な香りと雰囲気があります。

映画館以外は人のいない閉まった商業施設の廊下を歩きながら、光るエスカレーターを下りながら、気持ちは落ち着いているようで高揚していました。

君の名は。」を見たからなのか、
それが夜だったからなのか、
澄み渡る海中のような、静けさが充満した夜の空気に包まれてとても心地よい気分でした。



昨日小説版を購入して、CDもレンタルしてきました。本当は、違う視点やサブキャラクター達を描いたという別冊小説も欲しかったのに、近所では売っていませんでした。



そして今日、もうもう一度、映画館で見てきます。
2回目なのに初めて見るような気持ちで、こんなに楽しみなのも珍しいです。
ナイトショーとはいかないけれど、またレイトショーで見る予定です。


この作品は、身体の節々までその成分を染み渡らせたいと思ってしまうほどに、やっぱり、美しいのでした。